殴り合いにおける「身長差」
僕にしてはかなり野暮ったいタイトルなのだが、
前々から書きたかった事を書いてみようと思う。
「身長」
これが打撃系格闘技におけるファクターは想像以上に大きい。
実際に試合で相対した場合、こちらは相手の身長に応じて
どのような事を感じるか?
それを少し書いていこうと思う。
尚、これは格闘技経験者に向けてではなく
素人に向けてのリアルな経験談。
まず説明すると自分は伝統派空手経験者(黒帯)
僕自身は大して強くは無い。
だけど、相対した人達のレベルは総じて高かったのではないかと思う。
毎日組み手を行っていた連中は、県大会レベルならほとんどが個人で上位を占める。
遠征で関東、東北の上位に当たる高校と練習試合で相対する機会も多かった。
相手身長差において一番わかり易く感じる事。それは
「プレッシャーの質の差」
<長身の相手の場合>
相手となる僕が身長が大して高くない、という事を付け加えると
「近づけない」の一言
圧倒的な「リーチ」の差。
スピードがある人で懐に潜り込む前ですら、
初動を「きざみ突き」(ジャブのようなもの)で潰される。
「はじめの一歩」
で真柴の「フリッカージャブ」をご存知の人もいるかと思う。
まさにアレ。あの描写は過剰じゃない。実際に相対すれば
レベルの高い長身の相手にはあれくらいのプレッシャーが来る。
(ボクシングとはまた異質の部分もあるかもしれないけど)
長身の牽制が届く範囲は恐ろしく広い。
そして届く速度も恐ろしく早い。
それが届く距離にいる時間全て、こっちは蛇に睨まれたカエルのようなもの。
K−1で「ワット」っていう選手がいたのを知っている人がいるかは知らないけど、
体が細くて、物凄く長身の選手。
TVで見ると地味で、当時強かったジェロム・レ・バンナみたいな派手な強さは感じない。
あの選手の試合を、うちの空手部のレギュラー組が観にいった。
で言ってたコト。
「あれは強い。TVで観る以上にあの選手恐ろしいよ・・・」
そこまで恐ろしく感じる所以は、彼らの拳が描く軌道だと思う。
ハタから観た速度は大した事無いのかもしれないけど、角度の差。
例えて言うと
本屋で平積みされている本を取るのと、
同じ棚でやっとで届く高さの本を取るの、
どっちが楽かな?
これとは別に、背が小さくて強い人のプレッシャーもまた異質なのだけど
それはまた別の機会に。
追記
空手で例えると真柴のフリッカーより、
沢村の「バレット」の方が近いかな。。。